感性の育て方

考えてみたら、16歳から一人暮らしをはじめて、大人として扱いを受けながら揉まれてきたのはとてもよいスタートだったと思います。あのころ、仕事のクオリティーとしては容赦なく、かなり高いレベルを要求されていました。余裕なんてあるはずもなく、力不足を感じた毎日を過ごしていた。はたからみたら、成功体験なのかもしれないですが、自分の実感としては成功体験なんてとてもじゃないけどなかった。うまくできなかったなーって、記憶しかないんですよね。

 

あの頃にできなかったことは宿題として持ち帰って、20代のうちにすべて、上達してきました。うまく踊れなかったなーという自分が嫌だったから身体の動かし方を上手になりたくて今では上手になれたし、トークがもっと上手になりたかったけどなれなかったから会話力を磨いてみたり、メイクが下手だったけど、上手くなってきたなとか。どんな形で活きるかなんてこれから先、分からないですが、「出来ること」の引き出しが増えれば可能性というものは拡大していくわけです。

 

そして、20代にうまれた課題と宿題は、30代に持ち越されてこれからまた改善していくのでしょう。

 

今日は女性達を対象にセミナーをしていたんですが、「理想が高いと現状につらくならない?」と質問されました。もちろんそうです。でも楽しさも辛さもどのレベルにもあります。それなら高い理想を目指したほうがよくない?10年もあればだいたいクリアできます。一度クリアしたらコツを掴むので次からはもっと早くなります。

 

昔から度胸だけはあったからチャンスを作る力はありました。でもチャンスが来てもクオリティーが高くないとお客さんの満足度を上げられなくて信頼につながらない。今、ちょうどいい時期かもしれません。チャンスも作れるしクオリティーの高いものは作れるようになりました。なぜかというと、クオリティーの高いものを作れる方と子供の頃から働いてきたから、どのぐらいのレベルが「クオリティーの高いもの」なのかを肌で覚えていて、そこにずっと基準を合わせるように、感性を育ててきたのです。

 

本物をみて感じて考え自分を近づける。

その繰り返しをしているとすごい人間になれると思います。